• 和牛と国産牛って違うの?

    和牛と国産牛って違うの?

    同じじゃない和牛と国産牛 日本の牛肉と言えば、和牛と国産牛ですね。日本で育った牛だから同じだろうって思いますね。でも実は違いがあるってご存じでしたか? 国産牛は日本国内で生産された牛の事です。名前からもそれがわかります。飼育されてきた期間の中で日本で飼育された期間が最も長ければ国産牛と呼ばれるのです。必ずしも生まれてからずっと日本で飼育されてきた牛ではないのです。 国産牛の定義を食品表示基準法を見てみると、こんな感じです。 国産品(国内における飼養期間が外国における飼養期間(二以上の外国において飼養された場合には、それぞれの国における飼養期間。以下同じ。)より短い家畜を国内でと畜して生産したものを除く。)にあっては国産である旨を、輸入品(国内における飼養が外国における飼養期間より短い家畜を国内でと畜して生産したものを含む。)にあっては原産国名(二以上の外国において飼養された場合には、使用期間が最も長い国の国名)を表示する。 食品表示基準 第18条 第1項 第2号のイより 外国生まれでも日本で長く飼育された牛が国産牛として名乗れるのです。 一方、和牛は食肉用として日本古来の牛に外国産のさまざまな品種を交配して品種改良を行ってきた種類のみが名乗ることが出来ます。 和牛の種類は4種類だけ 和牛と呼ぶことができる品種は、黒毛和牛、褐毛和牛、無角和牛、日本短角種です。さらには日本で生まれて育っていることが条件です。 黒毛和牛: 黒毛和種とも記載されます。日本の90%以上を占める種類です。肉質は赤身にまで脂の霜降りが入っているのが特徴で、脂の風味もよく、肉種としては小柄です。有名なブランド牛は、「仙台牛」や「宮崎牛」や「神戸牛」等です。 褐毛和牛: 褐毛和種とも記載されます。赤い毛の牛で、あかげ牛とも呼ばれます。肉質は黒毛和牛に似ていて、赤身が多くて脂身が少ないことが特徴です。熊本県や高知県で飼育され、「肥後牛」や「土佐和牛」として知られています。北海道や東北地方でも飼育されているそうです。 無角和牛: 無角和種とも記載されます。赤身が多い肉質です。山口県萩市で飼育されている種類がこの無角和牛です。非常にまれな品種で、1か月で3~4頭くらいしか出荷されないそうです。 日本短角種: 東北地方で主に飼育されている種類です。肉質は赤身が多くて柔らかいと言われています。和牛の中でも、最も大きく育ちます。   高知県でのあかうしが放牧されている様子 黒毛和牛には、血統管理をする個体識別番号と呼ばれる10桁の番号が付与されます。この番号で先祖や育ったところがわかったりします。牛の戸籍みたいなものですね。これは世界で唯一のシステムなんだそうです。 黒毛和牛のお味 黒毛和牛の最大の特徴はきめの細かい赤身にさす脂身(霜降り)具合が美しいことです。美味しい肉質にするために明治時代から品種改良が続けられてきています。その他にも食べる餌や飼育環境にも配慮し作られた和牛は極上のうま味たっぷりです。   黒毛和種「仙台牛」モモ ジューシーな赤身に加えて、ほんのり甘みのある脂も美味しいです。美味しいお肉の脂は美味しいんです!人肌でとけてしまうのも、和牛の脂の特徴です。   黒毛和種サーロインステーキ ステーキやしゃぶしゃぶやすき焼き…部位によっていろいろな楽しみ方があります。 おうち時間が増えた今、おうちでのハイライトとして黒毛和牛を食べてみませんか?
  • 米作りと仙台牛の不思議な関係

    米作りと仙台牛の不思議な関係

    宮城県特産のお米 東北地方の宮城県は言わずもがな知れたお米の名産地です。宮城県産のササニシキやひとめぼれが有名ですよね。ササニシキは粘りが少なめでさっぱりした口当たりで、うす味のさっぱりしています。粘り気が少ないので、お寿司屋さんで好んで使われるそうです。 一方、ひとめぼれは粘り気が強く、炊き上がりがぴかぴか美しく、飽きの来ない甘みが特徴だと言われています。食感ももちもちしていて、粘りと甘み、艶や香りなどがバランスよく毎日食べても飽きないので、ご家庭でも人気があります。 お米の特産地は、共通して清らかなお水が流れていることです。清水とお米で日本酒も有名ですね。 お米と日本酒だけではない! 豊かな自然と清らかな水に恵まれた宮城県は、仙台牛という有名な銘柄牛が生産されていることが知られています。 仙台牛とは、和牛よりもさらに厳しい基準を満たしていないともらえない称号です。ちなみに和牛と呼ばれるには、以下基準をクリアしなければなりません。 黒毛和種等をはじめとする4種類の牛(黒毛和種、褐毛和種、無角和種、日本短角種)とそれらの交雑種のみであること 日本生まれ日本育ちであること 出身地等の情報が追跡できる識別番号を持っていること 1頭の牛を育てるまで、約3年の月日をかけて大切に育てられています。30Kgで生まれた子牛が760Kg位までに成長して出荷されます。 仙台牛と呼ばれるためにはさらに厳しい基準をクリアしなければなりません。 黒毛和種である 宮城県内で指定農家さんがその牛にあった飼育方法で飼育されたこと 仙台牛銘柄推進協議会が認めた市場か共進会に出品されたものであること 格付けがA5かB5であること リストにしてみるとなかなか厳しい条件が連なっていることがお分かりかと思います。宮城県内で育てられる約20000頭のうちの40%しか仙台牛の称号を得ることができないそうです。 米どころの恩恵 仙台牛たちは、美味しい宮城県の水を飲んで育つだけでなく、ササニシキやひとめぼれの稲わらを食べて育ちます!え?稲わらって何? これはお米を取った後の草です。 よく海外産の牛は牧草を食べて育ちますが、牧草の代わりに「稲わら」です。牛は、普通の動物が栄養にできない草を自分の血肉とするために進化を遂げてきました。胃袋が4つあるくらいですので、じっくり消化することが得意で、栄養価の高いエサは牛の体調を崩す原因にもなりうるそうです。 この稲わらは栄養価が高くないらしいのですが、軽く、しかも納豆菌が豊富で牛の腸内環境を整えてくれるそうです。腸内環境が整えば、牛の健康状態も良く、ストレスなく過ごすことが出来ますよね。 農家さんのご苦労と心意気に頭が上がりません。 最高級ランクA5の仙台牛   A5ランクの仙台牛内ももです。霜降り具合が大変美しいです。 たくさんの人が関わって、豊かな自然の恵みをたっぷり受けて私たちの食卓に素晴らしい仙台牛が並びます。その由来や農家さんたちの創意工夫を知ることで、より美味しく食べることが出来ませんか? ときどき食材がどうやって作られて私たちの目の前にやってくるのか思いを馳せるのも悪くはないですよね。 今日も美味しく…いただきます!
ご登録いただきありがとうございます!
このメールアドレスは既に登録されています